山里は 秋こそことに わびしけれ 鹿の鳴く音に 目を
さましつつ 壬生忠岑
(やまさとは あきこそことに わびしけれ しかのなく
ねに めをさましつつ)
注・・わびし=気落ちして心が晴れないさま。せつない。
心細い、もの寂しい。
鹿の鳴く音=牡鹿(おじか)の妻恋の声で、哀れさを
誘われる。
意味・・山里では、秋がほかの季節と比べてひときわ寂し
くてならぬものだ。どこかで鳴く鹿の声にしばしば
眠りを覚まされると、次から次へと物思いに追われ
てなかなか寝つけない。
山里はわびしい所、そこに住む己のわびしい思いを
基調として、これに、わびしい時としての秋、また
その夜、さらに、わびしさを誘う鹿の声・・と、
わびしさの限りを尽くした趣です。
山里のわびしさ・・人がいないので暖かく接して
くれる人がいない---寂しさ。
己のわびしさ・・明るい見通しや希望がなかったり、
悩み事があったり---憂鬱感。
秋のわびしさ・・木の葉が落ち、草木が枯れていく
のと、自分の体力の衰えを重ねる---悲哀感。
夜のわびしさ・・静かで心細い。
鹿の鳴き声・・聞くと一緒に泣きたくなる---哀れさ。
作者・・壬生忠岑=生没年未詳。907年頃活躍した人。古今集
の撰者の一人。
出典・・古今和歌集・214。
さましつつ 壬生忠岑
(やまさとは あきこそことに わびしけれ しかのなく
ねに めをさましつつ)
注・・わびし=気落ちして心が晴れないさま。せつない。
心細い、もの寂しい。
鹿の鳴く音=牡鹿(おじか)の妻恋の声で、哀れさを
誘われる。
意味・・山里では、秋がほかの季節と比べてひときわ寂し
くてならぬものだ。どこかで鳴く鹿の声にしばしば
眠りを覚まされると、次から次へと物思いに追われ
てなかなか寝つけない。
山里はわびしい所、そこに住む己のわびしい思いを
基調として、これに、わびしい時としての秋、また
その夜、さらに、わびしさを誘う鹿の声・・と、
わびしさの限りを尽くした趣です。
山里のわびしさ・・人がいないので暖かく接して
くれる人がいない---寂しさ。
己のわびしさ・・明るい見通しや希望がなかったり、
悩み事があったり---憂鬱感。
秋のわびしさ・・木の葉が落ち、草木が枯れていく
のと、自分の体力の衰えを重ねる---悲哀感。
夜のわびしさ・・静かで心細い。
鹿の鳴き声・・聞くと一緒に泣きたくなる---哀れさ。
作者・・壬生忠岑=生没年未詳。907年頃活躍した人。古今集
の撰者の一人。
出典・・古今和歌集・214。