陸奥の 真野の萱原 遠けども 面影にして 
見ゆといふものを
               笠女郎
(みちのくの まののかやはら とおけども おもかげ
 にして みゆというものを)

意味・・奥州の真野の萱原はほんとうに遠い所だと話に
    聞いていますが、そんなに遠い萱原でも目の前
    にその姿が浮かぶということです。
    まして近くにおいでになるあなたを恋しく思わ
    ないわけにはゆきません。

    笠女郎が大伴家持に贈った歌で、近くにいる
    家持になぜ逢えないのかと諷した歌です。

 注・・陸奥=東北地方の総称。
    真野の萱原=歌枕。福島県相馬郡鹿島町真野川
     の流域。

作者・・笠女郎=かさのいらつめ。生没年未詳。大伴家
    持と交渉のあった女性。
 
出典・・万葉集・396。