来めやとは 思ふものから 蜩の 鳴く夕暮れは
立ちまたれつつ
                詠み人知らず
             
(こめやとは おもうものから ひぐらしの なく
 ゆうぐれは たちまたれつつ)

意味・・来てくださるだろうか、いや期待はしないほうが
    いい。そう思いながらも、蜩の鳴き出す夕暮れに
    なると、じっと座っていられなくなる、私は。

    和泉式部の参考歌です。

   「なぐさむる 君もありとは 思へども なほ夕暮れは
    ものぞかなしき」

    私には、あなたという誇らしい恋人があります。
    この世に、あなたのやさしさを超えるなぐさめが
    あろうとは思いません。それなのに、夕暮れとも
    なると、どうにもならない悲しみにうつむいてし
    しまうのです。いったいどこから湧いてくる悲し
    みなのでしょうか。

    当時は通い婚であったので、夫は妻の家に行って
    いた。

 注・・来めや=来るだろうか、いや来ないだろう。「め
     や」は反語。

出典・・古今和歌集・772。