梅が枝に 来ゐる鶯 春かけて 鳴けどもいまだ 
雪は降りつつ
               詠み人知らず 
               
(うめがえに きいるうぐいす はるかけて なけども
 いまだ 雪はふりつつ)

意味・・梅の咲いた枝に来てとまっている鶯が、春が来る
    のを待ち望んで鳴いているけれども、まだ春らし
    い様子もなく、雪がちらちら降っている。

    春一番の鳥である鶯と、冬の名残雪(なごりゆき)を
    取り合わせ、春らしい様子になるのを待ち望む気持
    を鶯に託して詠んでいます。

 注・・ゐる=木の枝にとまっていること。
    春かけて=春を期して。

出典・・古今和歌集・5。