香具山の 尾上にたちて みわたせば 大和国原
早苗とるなり            上田秋成

(かぐやまの おのえにたちて みわたせば やまと
 くにはら さなえとるなり)

意味・・香具山の山頂に立って見渡すと、大和の
    平原では田植え仕度に苗代田から早苗を
    取っている。

    初夏の風物を大きく伸びやかに描いています。

    万葉集の「大和には群れ山あれどとりよろふ
    天の香具山、登り立ち国見をすれば国原は煙
    立ち立つ」を念頭に置いています。

    (大和の国には多くの山々があるけれど、
     中でも立派に整っているのは天の香具山だ。
     その山に登り国見をしてみると、国の広い
     所には炊飯の煙があちらこちらに立って、
     民が安泰な生活をしている)      

 注・・香具山=奈良県桜井市にある山。
    尾上(おのえ)=山の上。