つひにゆく 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは
思はざりしを               在原業平

(ついにゆく みちとはかねて ききしかど きのうきょう
 とは おもわざりしを)

意味・・死というものが人生最後の行路だとは前から
    聞かされていたのであるが、それが昨日や
    今日旅立つ道であるとは思わなかった。

    誰しもが最後に通る道とは聞いていたが、まさか
    それが自分の身に、間近に差し迫ったものだとは
    思いもしなかった

    詞書に「病して弱くなりける時よめる」とあります。
    死は避けられないものと分かっていたが、現実の
    こととして身近にせまり来たという嘆きを詠んだ
    辞世の歌です。

 注・・つひにゆく道=終にゆく道、死路の旅。
    
出典・・古今和歌集・861、伊勢物語125段。