恋せじと 御手洗川に せし禊 神は受けずぞ 
なりにけらしも  
               詠み人知らず 

(こいせじと みたらしがわに せしみそぎ かみはうけずぞ
 なりにけらしも)

意味・・もう決して恋はすまいと、御手洗川でした禊であっ
    たがその願いを神様は受けて下さらなかったに違い
    ない。

    恋のつらい思いを、二度と味わいたくないのでもう
    決して恋などしないようにと、神に願いをかけたに
    もかかわらず、ますます恋しさはつのるばかりだ、
    という気持を詠んでいます。

 注・・御手洗川=神社の傍らを流れ、参詣(さんけい)者が
     身を清める川。
    禊(みそぎ)=神に祈る前に水につかって身を清める
        こと。

出典・・古今和歌集・501。