12/16  ほととぎす 一声なきて 片岡の 杜の梢を
     今ぞ過ぐるなる          藤原為世
12/16  時鳥 声待つほどは 片岡の 森の雫に
     立ちや濡れまし          紫式部
12/17  草の戸も 住み替わる代ぞ ひなの家  芭蕉 
    「ゆく河の 流れは絶えずして しかももとの水に
     あらず、淀みに浮かぶ・・・」   方丈記・序
1/18  憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしけれとは
    祈らぬものを           源俊頼
12/19  霧たちて 雁ぞ鳴くなる 片岡の 朝の原は
     もみじしむらむ          読人しらず 
12/20  閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声    芭蕉 
     木枯らしや 岩に裂け入る 水の声   蕪村 
12/21  手を折りて うち数ふれば この秋も すでに半ばを
     過ぎにけらしも            良寛 
12/22  はつせ山 入相の鐘をきくたびに 昔の遠く
     なるぞ悲しき           藤原有家
12/23  初瀬山 夕越え暮れて 宿問へば 三輪の檜原に
     秋風ぞ吹く            禅性法師
12/24  これはこれは とばかりに 花の吉野山  貞室
     股のぞき 女もしてる 秋の海   内田康夫
12/25  君まさで 煙絶えにし 塩竃の うらさびしくも
     見えわたるかな          紀貫之
12/26  吹くからに 秋の草木の しおるれば むべ山風を
     嵐といふらむ           文屋康秀
12/27  七重八重 花は咲けども 山吹の みのひとつだに
     なきぞあやしき          兼明親王
12/28  三椀の 雑煮かゆるや 長者ぶり  蕪村 
12/29  楽しみは 書よみ倦める をりしもあれ 声知る人の
     門たたく時            橘曙覧
12/30  夕月夜 をぐらの山に鳴く鹿の 声のうちにや
     秋は暮るるらむ          紀貫之
12/31  恋せじと 御手洗川に せし禊 神は受けずぞ
     なりにけらしも          読人知らず