3/1 世の中の 憂きも辛きも 情けをも わが子を思ふ
   ゆへに知れ             良寛
3/2 にほ鳥の 葛飾早稲の 新しぼり くみつつをれば
   月傾きぬ              賀茂真淵
3/3 雪しろの かかる芝生の つくづくし  良寛
3/4 み吉野の 山もかすみて 白雪の ふりにし里に
   春は来にけり            藤原良経
3/5 有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を
   忘れやはする            大弐三位
3/6 琴の音に 峰の松風 通ふなり いづれのおより
   調べそめけむ            斎宮女御
3/7 裾に置きて 心に遠き 火桶かな    蕪村
3/8 士やも 空しかるべき 万代に 語り継ぐべき
   名は立てずして           山上憶良
3/9 山桜 咲きそめしより 久方の 雲居に見ゆる
   滝の白糸              源俊頼
3/10 雁なきて 菊の花咲く 秋はあれど 春の海辺に
   住吉の浜              在原業平
3/11 ぼたん切って 気のおとろえし 夕べかな 蕪村
3/12 花を見て 花を見こりし 花もなし 花見こりしは
   今日の花のみ            橘曙覧
3/13 春日山 おして照らせる この月は 妹が庭にも
   清けかりけり            読人知らず
3/14 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは
   わが身なりけり           藤原公径
3/15 ながめしは 野菊のくきの はじめかな 石田未得