世の中の 憂さを思へば 空蝉の 我が身の上の 
憂さはものかは             
                良寛

(よのなかの うさをおもえば うつせみの わがみのうえの
 うさはものかは)

意味・・世間の人が、生活してゆくつらさを思えば、
    私の身にかかるつらさなどは、取り立てて
    言うほどのものではない。

 注・・憂さ=つらさ。
    空蝉=現世。身にかかる枕詞。
    ものかは=問題ではない。

作者・・良寛=りょうかん。1758~1831。

出典・・谷川敏朗「良寛歌集」。