5/1 誰見よと 花咲けるらむ 白雲の たつ野とはやく
   なりにしものを             読人知らず
5/2 訪ひに行くに 好かぬとぬかす 憎い人   嶋村桂一
5/3 いにしえの 野中の清水 ぬるけれど もとの心ぞ
   知る人ぞ汲む              読人知らず
5/4 お山田の 早苗の色は 涼しくて 岡べ木暗き
   杉の一村                永福門院
5/5 ねぎごとを さのみ聞きけむ 社こそ はては嘆きの
   森となるらむ              讃岐
5/6 水なしと 聞くきてふりにし 勝間田の 池あらたむる
   五月雨の頃               西行
5/7 田を売りて いとど寝られぬ 蛙かな    立花北枝
5/8 かかる世に かげも変らず すむ月を 見る我が身さへ
   恨めしきかな              西行
5/9 むかしにも あらぬわが身に ほとどぎす 待つ心こそ
   変らざりけれ              周防内持
5/10 いたづらに 過ぐる月日は おもほえで 花見て暮らす
   春ぞ少なき               藤原興風
5/11 いたづらに 過ぐる 月日も おもしろし 花見てばかり
   くらされぬ世は             四方赤良
5/12 わが思ふ ことのしげさに くらぶれば 信太の森の
   千枝はかずかは             増基法師
5/13 道野辺に 阿波の遍路の 墓あはれ    高浜虚子
5/14 わが恋は あひそめてこそ まさりけれ 飾磨の渇の
   いろならねども             藤原道経
5/15 ふるさとの 花のものいふ 世なりせば いかに昔の
   こととはまし              出羽弁