月は秋と 思ふりにし 空ながら 今さらしなに おどろかれぬる
                     慈円(じえん)

(つきはあきと おもいふりにし そらながら いまさらしなに
 おどろかれぬる)

意味・・月はとりわけ秋のものだと、以前から思って
    きた空ではあるものの、今更のように更科の
    山に出た月の明るさに驚いたことだ。

 注・・今さらしなに=「今更」と「更科」を掛ける。
      更科は長野県更級郡で月の名所。