つらからば われも心の 変はれかし など憂き人の 
恋しかるらむ        紫式部(むらさきしきぶ)

(つらからば われもこころの かわれかし などうき
 ひとの こいしかるらん)

意味・・こんなにつらいのなら、自分の心も変わって
    しまえばいいのに。どうして自分につらい思
    いをさせる、あの心変わりをした人が今なお
    こんなに恋しいのだろう。
     
 「人のつらくは 我も心の変われかし 憎むに愛(いと)
  ほしいは あんはちや」(閑吟集)が本歌です。

意味・・向うが冷たくなったのだし、自分も心変わりを
    してやりたいのに、ああ、嫌われていながらあ
    の人が愛しいなんで、くやしいなあ。

 注・・あんはちや=あん恥や、恥辱だ。