長き夜や 心の鬼が 身を責める   
                   一茶(いっさ)
                   (七番日記)
(ながきよや こころのおにが みをせめる)

意味・・いたらない自分の醜態(しゅうたい・恥ずべく事)が
    自己嫌悪となって、一人になった夜、心の中から小
    さな鬼が立ち上がって「お前バカだなあ、なぜあん
    なアホウな事をするのだ」と攻め立てる。
 
    一茶は「心ない自分の行いによって人が傷ついた」
    と感じ、その傷ついた相手の身になって「なぜ傷を
    つけたのだ」と加害者になった自分を責めて詠んだ
    句です。

 注・・心の鬼=良心。

作者・・小林一茶=1763~1827。三歳で生母と死別。継母と
     不和のため、15歳で江戸に出て奉公生活に辛酸を
     なめた。「七番日記」「おらが春」。