世に経るは 苦しきものを 槙の屋に やすくも過ぐる
初時雨かな       二条院讃岐(にじょういんのさぬき)

(よにふるは くるしきものを まきのやに やすくもすぐる
 はつしぐれかな)

意味・・世を生きながらえていくことは辛く苦しいもの
    なのに、槙の屋に降る初時雨はいとも軽々しく
    降り過ぎていくことだ。

    辛さや苦しみ、悲しみを十分味わったので、「
    やすく過ぐる」ように、これからは容易に世を
    過ごす事が出来たら良いのに、という気持を詠
    んでいます。
    なお、二条院は平家との戦いで父と子を亡くし
    ています。

 注・・世に経る=この世に生きながらえる。
    槙の屋=槙の板で葺(ふ)いた家。
    やすく過ぐる=なんの苦しみもなくさらさらと
       降り過ぎる。