梢ふく 風の心は いかがせん したがふ花の 
恨めしもかな         西行(さいぎょう)

(こずえふく かぜのこころは いかがせん したがう
 はなの うらめしもかな)

意味・・梢を吹く風の心は、どうすることも出来は
    しない。でもその風の心のままに散ってゆ
    く花は何とも恨めしく思われることだ。

    無情の風が吹いて花を散らせてしまうのは
    仕方がないとしても、どうして花がそんな
    風の言うままに散ってしまうのかと、自分
    にとって好ましい花が時流に押し流されて
    手元から消えてしまうのを嘆いた歌です。    

 注・・いかがせん=「いかが」は反語を表す。
          どうしょうもない。