道のべの 朽木の柳 春来れば あはれ昔と
しのばれぞする    菅原道真(すがわらみちざね)

(みちのべの くちきのやなぎ はるくれば あはれ
 むかしと しのばれぞする)

意味・・道のほとりの朽ち木の柳は、春が来ると、
    ああ、昔はさぞ美しく茂ったことであろう
    と思われることだ。

    作者自身の境遇を顧みて詠んだ歌です。

 注・・朽木=左遷されて世に埋もれている自分の
      姿を見ている。
    あはれ昔としのばれぞする=ああ、昔はさ
      ぞ美しく茂った事であろう。世に時め
      いた頃の自分の追懐をこめている。