み吉野の 大川のべの 古柳 陰こそ見えね 
春めきにけり        輔仁親王(すけひとしんのう)

(みよしのの おおかわのべの ふるやなぎ かげこそ
 みえね はるめきにけり)

意味・・吉野の大川のほとりの古柳は、木陰が見える程
    に茂ってはいないが、春らしい様子になった事
    だ。

 注・・陰こそ見えね=陰は見えないが、木陰が見える
      ほど茂らないが、古柳であるから葉が茂ら
      ないのである。

-----------------------------------------------------

城山の 山のかくめる 引田港 われ少年にして
ここに船出しき        南原繁(みなみはらしげる)

(しろやまの やまのかくめる ひきたこう われ
 しょうねんにして ここにふなでしき)

意味・・ここ城山から引田港を望むと、山で囲まれた
    小さな町並みの港町である。私がまだ少年で
    あった時、希望を持ってこの港から公海へと
    船出したものだ。

    作者は、戦後初代の東大総長になった人です。
    故郷に帰り昔を懐かしんで詠んだ歌です。

 注・・城山=香川県東香川市にある山。
    引田港=香川県東香川市引田町の港。