露の身の 消えもはてなば 夏草の 母いかにして
あらんとすらん          読人知らず

(つゆのみの きえもはてなば なつくさの はは
 いかにして あらんとすらん)

意味・・露のようにはかないわが身が命耐えて
    しまったならば、母はどのようにして
    生きて行くことだろうか。

    母に先立ち死ぬ娘の心を詠んだ歌です。
 
 注・・露の身=露のようにはかない身。
    夏草の=葉を導く枕詞。ここでは同音の
        「はは」を導いている。
    あらん=生きている、健在である。