値なき 宝といふとも 一杯の 濁れる酒に
あにまさめやも    大伴旅人(おおとものたびびと)

(あたいなき たからというとも ひとつきの にごれる
 さけに あにまさめやも)

意味・・値をつけようがないほど貴い宝珠でも、
    濁り酒一杯にどうして勝るといえようか。

    気持ちが大きくなる酒の効用を詠んで
    います。

 注・・値なき宝=仏法用語で無上の法の例え。
      値をつけようが無いほどの宝。

作者・・大伴旅人=665~720。大納言、従二位。