かたがたの おやのおやどち いはふめり この子の
ちよを 思ひこそやれ 藤原保昌(ふじわらのやすまさ)

(かたがたの おやのおやどち いわうめり このこの
 ちよを おもいこそやれ)

詞書・・子の袴着をしました時に、父方母方の祖父 
    が出席しました時に詠んだ歌。

意味・・父方母方の親の親同士が孫の袴着を祝って
    いるようです。子の子(孫)が輝かしく長生
    する事を私も心から願っています。

    「かたがたのおやのおやどち」と「子の子
     のちよ」の表現の面白さを詠んだ歌です。   

 注・・袴着=男子が初めて袴を着ける儀式。五歳
      または七歳に行った。
    かたがたの=方々の。双方の。
    おやのおやどち=親の親同士。
    いはふ=祝う。
    この子=「この子」と「子の子」を掛ける。
    ちよ=千代。千年、非常に長い月。

作者・・藤原保昌=~1036。正四位、丹後守。和泉
      式部の夫。