秋も秋 こよひもこよひ 月も月 ところもところ
みるきみもきみ     
光源法師 (後拾遺和歌集・265)

(あきもあき こよいもこよい つきもつき ところも
 ところ みるきみもきみ)

左注・・ある人が言うには、賀陽院で八月十五夜の
    月が美しかった晩に、宇治前太政大臣頼通
    さまが歌を詠めと仰せられたので詠んだ歌
    です。

意味・・秋もまさに仲秋、こよいもまさに十五夜、
    所も天下の賀陽院、月見る君も宇治前太政
    大臣の関白さま(時・所・人を得てこよい
    の名月はまさに最高でございます)。

 注・・賀陽院=関白頼通の別邸。
    秋も秋=秋(七・八・九月)といっても一番
      よい仲秋。
    こよひもこよひ=今宵といっても明月の今
      宵。
    月も月=月といっても十五夜の満月。
    ところもところ=場所もまさに関白邸の賀
      陽院。
    みるきみもきみ=月見る君といったら、ま
      さに一の人関白さま。

作者・・光源法師=こうげんほうし。比叡山の僧。
     1035年頃の人。