忘らるる 身はことはりと しりながら 思ひあへぬは
なみだなりけり     清少納言(せいしょうなごん)

(わすらるる みはことわりと しりながら おもい
 あえぬは なみだなりけり)

意味・・この身が忘れ捨てられるのは当然だと
    心では分かっていながら、涙が出るの
    は、涙というものはそれを理解出来な
    いものなのですね。

    男の心の戻るのを願う気持ちを詠んだ
    歌です。

 注・・ことはり=筋道、道理。
    思ひあへぬ=思い切れない、思いに耐
      えられない。

作者・・清少納言=966~1027。枕草子の作者。
    清原元輔(契りきなかたみに袖をしぼり
    つつ末の松山波越さじとはの作者)の娘。