移りゆく 雲に嵐の 声すなり 散るか正木の 
葛城の山      藤原雅経(ふじわらのまさつね)

(うつりゆく くもにあらしの こえすなり ちるか
 まさきの かつらぎのやま)

意味・・空を移って行く雲の中に、嵐の音が
    聞える。この嵐で、今頃葛城山では
    正木の葛(かずら)が散っているのだ
    ろうか。
注・・正木の葛=つるまさき。蔓性常緑潅木。
    葛城の山=大阪府と奈良県の境にある
     山。「かづら」を掛ける。

作者・・藤原雅経=1221年没、52歳。新古今
     の撰者の一人。