秋萩に 置きたる露の 風吹きて 落つる涙は
留めかねつも     山口女王(やまぐちのおおきみ)

(あきはぎに おきたるつゆの かぜふきて おつる
 なみだは 留めかねつも)

詞書・・大伴家持に贈った歌。

意味・・萩の花に宿っている露が風に散るように、
    私があなた恋しさに流す涙は、はらはらと
    こぼれ落ちて留めることが出来ません。
    
    悲恋の涙を玉の露のように美しく詠んだ歌
    です。

作者・・山口女王=伝未詳。