沢に生ふる 若菜ならねど いたづらに 年を積むにも
袖は濡れけり     藤原俊成(ふじわらのとしなり)

(さわにおうる わかなならねど いたずらに としを
 つむにも そではぬれけり)

意味・・沢に生えている若菜を摘むと袖が濡れる。私は
    そういう若菜を摘むというのではないが、これ
    ということもなく、年をむなしく積み重ねて
    いると、悲しみの涙で袖が濡れるものだ。

    俊成26歳の時に詠んだ歌です。昇進が遅れ不遇
    のままでいる嘆きを詠んだものです。

 注・・いたづらに=むなしく、これということもなく。
     官位昇進が遅れ、いつまでも下積みの生活を
     送っていたことをさしている。

作者・・藤原俊成=~1204。91歳。正三位・皇太后宮大夫。
     「千載和歌集」の撰者。