み吉野は 春のけしきに かすめども むすぼほれたる
雪の下草          紫式部(むらさきしきぶ)

(みよしのは はるのけしきに かすめども むすぼ
 ほれたる ゆきのしたぐさ)

意味・・み吉野はすっかり霞んで春景色になっているが、
    降り積もった雪の下の草は固く結ばれたままで、
    まだ芽を出していない。

    雪の下草は、一条天皇の中宮彰子の女房として
    出仕している作者自身を暗示しています。

 注・・むすぼれたる=根がもつれてほどけないでいる。
    雪の下草=雪に覆われて地下に埋まっている草。

作者・・生没年未詳。1013以降の没。源氏物語の作者。