旅と言へば 言にぞ易き 術もなく 苦しき旅も
言にまさめやも     中臣宅守(なかとみのやかもり)
              (万葉集・3763)
(たびといえば ことにぞやすき すべもなく くるしき
 たびも ことにまさめやも)

意味・・旅と口先で言うのはたやすい。しかし、どうしょう
    もなく辛(つら)く苦しいこの旅も、所詮は旅としか
    いい表わしょうがない。

    どんなことでも表現は容易なものだが、表現出来な
    いような苦しいこともある。こんどの旅がそれであ
    る、という気持ちを詠んでいます。

 注・・術もなく=どうしょうもない。

作者・・中臣宅守=生没年未詳。763年に従五位になる。奈良
     時代の後期の歌人。