一葉さへ まだ散りあへぬ 木の本に 先うちそよぐ
荻のうはかぜ            玄旨(げんし)
                   (玄旨百首・38)

(ひとはさえ まだちりあえぬ このもとに まず
 うちそよぐ おぎのうわかぜ)

意味・・木の葉の散る気配はまだ感じられないが、
    木の本の荻の末葉が先ず秋の風にそよぎ
    はじめたことだ。

 注・・あへぬ=・・しきれない、・・できない。
    荻=イネ科の植物。薄(すすき)にそっくり。

作者・・玄旨=1534~1610。俗名は細川藤考。安土
     桃山時代の武士。古典学者。