あづま路の 浜名の橋を きて見れば 昔恋しき 
わたりなりけり
            大江広経(おおえのひろつね)
              (後拾遺和歌集・516)

(あずまじの はまなのはしを きてみれば むかし
 こいしき わたりなりけり)

詞書・・父の共に遠江の国に下って、年がたって後、
    下野守(しもつけのかみ)となって下向しまし
    た時に、浜名の橋のたもとで詠みました歌。

意味・・東海道の浜名の橋を再び来て見ると、父の共
    として下った昔が恋しくしのばれ、橋は渡し
    場となっていた。

 注・・浜名の橋=浜名湖から流れる川に架けた橋。
     当時は橋が壊れていた。
    わたり=渡船場。
    なりけり=橋が壊れていて気がついたら、
     渡し場になっていたことだ、の意。
    遠江(とうみ)の国=今の静岡県。
    下野(しもつけ)=今の栃木県。

作者・・大江広経=生没年未詳。1090年頃に活躍
     した人。加賀・下野・伊勢守を歴任、
     従四位上。