目も離れず 見つつ暮らさん 白菊の 花より後の
花しなければ
              伊勢大輔(いせのだいふ)
               (後拾遺和歌集・349)

(めもかれず みつつくらさん しらぎくの はなより
 のちの はなしなければ)

意味・・目も離さず、じっと眺めて日を暮らそう。この
    白菊の花より後に咲く美しい花は無いのだから。

 注・・花しなければ=美しい花がないので。「し」は
     上の語を強調する助詞。

作者・・伊勢大輔=生没年未詳。1008年頃、一条天皇の
     皇后・藤原彰子に出仕。筑前守高階成順の妻。