数ふれば 我が身に積もる 年月を 送り迎ふと
なに急ぐらむ
           平兼盛(たいらのかねもり)
             (拾遺和歌集・261)

(かぞうれば わがみにつもる としつきを おくり
 むかうと なにいそぐらん)

意味・・数えてみると、つまりは年齢として自分の身に
    積もる年月なのであるが、その老年に近づく年
    を送って、また新しく迎えようとして、人々は
    忙しくしているけれども、なんでそう年月を過
    ごすことを急いでいるのだろう。

    年末のあわただしい人の動きを見て、どうして
    このようにあくせくするのかと、逆説的に問い
    かけたものです。

作者・・平兼盛=~990。従五位上・駿河守。三十六歌仙
     の一人。家集「兼盛集」。