ふるさとの 雪は花とぞ 降り積もる ながむる我も
思ひ消えつつ
              読人しらず
             (後撰和歌集・485)

(ふるさとの ゆきははなとぞ ふりつもる ながむる
 われも おもいきえつつ)

意味・・今では思い出の場所となってしまったこの里の
    雪は、まるで花のように降り積もっている。
    物思いにふけりながらぼんやりとそれを眺めて
    いる私も、雪が消えるように、思いが消沈して
    ゆくことだ。

 注・・ふるさと=なじみの土地、思い出があるが今で
     は古くなった里。
    ながむる=物思いに沈みながらぼんやり見やる。
    思ひ=恋慕う気持、恋の気持。
    思ひ消えつつ=花だと消えないが、雪だから眺
     める自分も消え入る思いだ、の意。