悔しかも かく知らませば あをによし 国内ことごと 
見せましものを
             山上憶良(やまのうえおくら)
               (万葉集・797)
(くやしかも かくしらませば あおによし くぬち
 ことごと みせましものを)

意味・・ああ残念だ。ここ筑紫で死ぬとあらかじめ
    知っていたなら、故郷奈良の山や野をくま
    なく見せておくのだった。

    赴任先の筑紫で妻を亡くして偲んで詠んだ
    歌です。

 注・・あをによし=奈良、国内に掛かる枕詞。

作者・・山上憶良=660~733。遣唐使として3年
     滞在。筑前(福岡県)守。大伴旅人と交
     流。