をそろしや 木曽の懸路の 丸木橋 ふみ見るたびに 
をちぬべきかな
             空人法師(くうにんほうし)
             (千載和歌集・1195)

(おそろしや きそのかけじの まるきばし ふみみる
 たびに おちぬべきかな)

詞書・・山寺にこもりて侍ける時、心ある文を女のしば
    しばつかはしければ、よみてつかはしける。

意味・・恐ろしいことだ、木曽の桟道の丸木橋は。踏ん
    でみる度毎に落ちてしまいそうだ。
    (文を見るたびに堕落しそうだ)。

 注・・懸路=木材で架けた棚のように造った路。桟道。
    丸木橋=加工なしの丸木を掛け渡した橋。
    ふみ=「踏み」と「文」を掛ける。
    心ある文=恋文。

作者・・空人=生没年未詳。法輪寺の僧。西行と親交。