いかにせん さらでうき世は なぐさまず たのめし月も
涙おちけり
             藤原俊成(ふじわらとしなり)
             (千載和歌集・32)

(いかにせん さらでうきよは なぐさまず たのめし
 つきも なみだおちけり)

意味・・どうしたらよいであろうか。そうでなくてもこの
    つらい世の中は慰められることがない。慰められ
    るのではないかとあてにしていた月を見ても涙が
    落ちてくるばかりだ。

 注・・さらで=然らで。そうでなくて、あらためて意識
     しなくても。
    たのめし=頼めし。あてにする、期待する。

作者・・藤原俊成=1114~1204。正三位・皇太后宮大夫。
     「千載和歌集」の撰者。家集は「俊成家集」。