あしびきの 山田のそほづ おのれさへ 我を欲してふ
うれはしきこと
             読人知らず
             (古今和歌集・1027)

(あしびきの やまだのそほず おのれさえ われを
 ほしてふ うれはしきこと)

意味・・山田の案山子さん、お前までが私をお嫁さんに
    したいという。ほんとうに困ったことだ。

    山田の案山子は、みすぼらしい男を極端に馬鹿
    にした呼びかたであり、そのような男に求婚さ
    れた女が、身震いするような調子でたまらない
    といって詠んだ歌です。

 注・・あしびき=山の枕詞。
    山田のそほづ=山田の案山子。ここでは相手の
     男を軽蔑していったもの。
    おのれさえ=お前までが。「さえ」は案山子以
     外からも求婚されている事を表す。
    我を欲してふ=私を妻に欲しいという。
    うれはし=憂はし。嘆かわしい。