まつほどに 夏の夜いたく ふけぬれば おしみもあへぬ 
山の端の月
             源道済(みなもとのみちなり)
             (詞花和歌集・77)
(まつほどに なつのよいたく ふけぬれば おしみも
 あえぬ やまのはのつき)

意味・・月の出を待っているうちに短い夏の夜はひどく
    更けてしまったので、東の山の端に月は出たけ
    れど、その月を十分に愛惜するひまがない。

    夏の夜の短さを強調した歌。

 注・・ふけぬれば=「夜ふく」は、夜中を過ぎて明け
     方近くなること。

作者・・源道済=~1019没。筑前守。従五位下。中古
     三十六歌仙。