鏡山 ひかりは花の 見せければ ちりつみてこそ
さびしかりけれ
          藤原親隆(ふじわらのちかたか)
          (千載和歌集・105)
(かがみやま ひかりははなの みせければ ちり
 つみてこそ さびしかりけれ)

意味・・鏡の山の光は満開の花を光輝いて見せたのだが、
    その花が散り積もってしまってからは、光も曇
    りさびしいことだ。
    鏡山というその名にふさわしく、ひときわ照り
    輝いていた山桜、今はその花も散り果てて光を
    失ったようだ。

    緑に装いを変えた鏡山に対する一抹の哀愁の思い。

 注・・鏡山=滋賀県蒲生郡にある山。近江国の歌枕。
     ここでは徳のある人の意も含む。
    ちりつみて=散り積みて。散り積もって。

作者・・藤原親隆=1099~1165。正三位参議。