秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 
七種の花 (その一)          
                山上憶良
            
(あきののに さきたるはなを およびおり かき
 かぞうれば ななくさのはな)

意味・・秋の野に咲いている花を、指折り数えて見ると、
    七種の花がある。

萩の花 尾花葛花 なでしこの花 をみなへし
また藤袴 朝顔の花 (その二)
                山上憶良
             
(はぎのはな おばなくずばな なでしこのはな おみなえし
 またふじばかま あさがおのはな)

意味・・萩の花、尾花、葛の花、なでしこの花、おみなえし
    それから藤袴、朝顔の花。

    秋の七草は山上憶良が選定して今に至っている。

 注・・朝顔=今の桔梗のこと。

作者・・山上憶良=やまのうえのおくら。660~733。遣唐使。
    筑前守。

出典・・万葉集・1537、1538。