ことわりや いかでか鹿の 鳴かざらん 今宵ばかりの
命と思へば
             和泉式部(和泉式部)
             (後拾遺和歌集・1000)
(ことわりや いかでかしかの なかざらん こよい
 ばかりの いのちとおもえば)

詞書・・丹後の国にて保昌(やすまさ)朝臣、あす狩せん
    といひける夜、鹿の鳴くをききてよめる。

意味・・鳴くのも道理ですよ。どうして鹿が鳴かないで
    しょうか。鳴きもしますよ。今宵だけの命だと
    思えば。

 注・・ことわりや=理や。当然ですよ。
    保昌朝臣=藤原保昌。1036年没。丹後守・正四位下。

作者・・和泉式部=生没年未詳。1007年藤原保昌と結婚。
     「和泉式部日記」。