見し人は ひとり我が身に そはねども 遅れぬ物は
涙なりけり
         僧正行尊(そうじょうぎようそん)
         (金葉和歌集・576)
(みしひとは ひとりわがみに そわねども おくれぬ
 ものは なみだなりけり)

意味・・親しくして来た仲間は、一人として我が身と共には
    いないが、私に遅れずに着いて来るものは、我が涙
    だけである。

    共に修行する人々が、厳しさに耐えられずに離れて
    行く、その心細さを詠んだ歌です。

 注・・見し人=同行の人々。
    遅れぬ物は涙=淋しさゆえの涙。

作者・・行尊=1055~1135。平等院大僧正。