なけやなけ よもぎが杣の きりぎりす すぎゆく秋は
げにぞ悲しき
             曾禰好忠(そねのよしただ)
             (後拾遺和歌集・273)
(なけやなけ よもぎがそまの きりぎりす すぎゆく
 あきは げにぞかなしき)

意味・・さあ、思う存分に鳴けよ。蓬が杣のきりぎりすよ。
    過ぎ去ってゆく秋というものは、しんそこ悲しい
    のだから、私も泣くからお前も鳴けよ。

 注・・よもぎが杣=蓬が杣。蓬が生い茂って杣山のように
     なっている所。「杣」は「杣山」のことで、植林
     した木を切り出す山の意。小さいきりぎりすから
     見て蓬を杣山に見立てたもの。
    きりぎりす=今のコオロギのこと。

作者・・曾禰好忠=生没年未詳。985年頃の人。