心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる
白菊の花
              凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)
              (古今集・277、百人一首・29)
(こころあてに おらばやおらん はつしもの おき
 まどわせる しらぎくのはな)

意味・・もし折るのなら、当て推量で折ることにしょう。初霜が
    置いて、その白さのために区別もつかず、紛らわしくし
    ている白菊の花を。
 
    実景の上の面白さではなく、冬の訪れを告げ、身を引き
    締めるようにさせる初霜の厳しさと、白菊の花の清々し
    さを詠んでいます。

 注・・心あてに=当て推量で。
    折らばや折らむ=もし折るならば折ろうか。

作者・・凡河内躬恒=生没年未詳。894年頃活躍した人。「古今集」
     の撰者の一人。三十六歌仙の一人。