稽古とは 一より習い 十を知り 十より返る
もとのその一
           千利休(せんのりきゅう)
           (利休百首)
(けいことは いちよりならい とおをしり とおより
 かえる もとのそのいち)

意味・・稽古というのは、先ず初めの一歩の基本的な部分から
    習い始めて、順番を追って最後の十まで行くものだ。
    そして、そこで終わりではなく、もう一度初めに戻っ
    て稽古しなおすのだ。すると、最初は気づかなかい事
    も分かるようになる。

    稽古とは、その道の基本を徹底的に学び、次に自分の
    色を出して見る、最後に自分だけの世界を作り上げて
    行く。ただし、一番最初の基本を忘れてはいけない。

    物事を習うには、やはり最初から順番を追って習って
    行くと、よく理解出来るし身につく。最初の頃は教え
    られた通りにやっているだけで、無我夢中。だが、あ
    る程度の所まで到達すると、全体像が見えてくる。
    ここまで来れば理解しながらやれるから、より自分の
    身になり上達は早いものである。

作者・・千利休=1522~1591。安土桃山時代の茶人。