代はらむと 祈る命は 惜しからで さても別れむ
ことぞ悲しき
              赤染衛門(あかぞめえもん)
              (詞花和歌集・363)
(かわらんと いのるいのちは おしからで さても
 わかれん ことぞかなしき)

意味・・我が子に代わって死にたいと祈る、その私の命は
    惜しくはないが、祈りがかなって子と別れる事に
    なるのが悲しいことです。

    わが子が重病で死に瀕した時の歌です。子を想う
    母親の真情が率直に詠まれ、この想いが通じて、
    息子は快癒したという(今昔物語より)。

 注・・さても=そうであっても、やはり。

作者・・赤染衛門=生没年未詳。1040年頃活躍した人。
     「赤染衛門歌集」。