父よ男は 雪より凛く 待つべしと 教へてくれて
いてありがとう
             小野興二郎(おのこうじろう)
             (天の辛夷・こぶし)
(ちちよおとこは ゆきよりさむく まつべしと おしえて
 くれて いてありがとう)

意味・・男が人生を渡る時、さまざまな事に出会うが、それを
    じっくりと待ち受けて清く処するべきなのだと、父は
    私に常々教えていた。雪の冷たさ、白さよりももっと
    毅然として待って、受け止めるべき人生の大切な時間
    だと父は教えていた。私はこの父の言葉を人生の節々
    に思い起こし、生きる糧としてきたのである。父よあ
    りがとう。

 注・・凛(さむ)く=りりしい、心が引き締まる、身にしみて
     寒い。

作者・・小野興二郎=1935~2007。明治大学卒業。結核に悩ま
     される。「天の辛夷」「手のひらの闇」。