五月闇 みじかき夜半の うたた寝に 花橘の
袖に涼しき
             慈円 (新古今和歌集・242)

(さつきやみ みじかきよわの うたたねに はなたちばなの
 そでにすずしき)

意味・・五月闇の短い夜、うたた寝をしていると、花橘の
    香りが、袖のあたりに涼しく漂ってくることだ。

    湿ったむさ苦しい暑さの中で熟睡も出来ない夜半、
    さわやかな涼しい風が花橘の香りを乗せて来た。

 注・・五月闇=五月雨(さみだれ。梅雨)の降り続く頃の
     暗闇。この時分は夜が短かい。

作者・・慈円=じえん。1154~1225。大僧正。天台座主。