さくら花 幾春かけて 老いゆかん 身に水流の
音ひびくなり
                 馬場あきこ 

(さくらばな いくはるかけて おいゆかん みに
 すいりゅうの おとひびくなり)

意味・・たえず美しい花が開く桜は、いつまで咲き
    誇り、老熟の時期を迎えるのであろうか。
    桜ならぬ我が身には、老いて行く時の流れ
    が、水流の音のように響いて来る。

 注・・老いゆかん=「桜が老いゆかん」と「老い
     ゆかん身」を掛けている。

作者・・馬場あきこ=ばばあきこ。1928~。昭和女
    子大学卒。窪田章一郎に師事。

出典・・歌集「桜花伝承」。