てのひらを くぼめて待てば 青空の 見えぬ傷より
花こぼれ来る
              大西民子 (無数の耳)

(てのひらを くぼめてまてば あおぞらの みえぬ
 きずより はなこぼれくる)

意味・・晴れた空は青く心地よい。野辺には花がいっぱい
    咲いて、また散っている。今、この美しい花びら
    を両手で受けようとしている。幸せな時だ。この
    楽しい振る舞いの中で、ふと、他人には分らない
    悩みが思い出されて来る。

 注・・見えぬ傷=他人には分らない傷・悩み。

作者・・大西民子=おおにしたみこ。1924~1994。奈良女
     子高等師範学校卒。木俣修に師事。「無数の耳」。